正直に自分の失敗を認めているレジュメ
一番最初の記事に、敗者復活を認める外資系の文化が好きだと書いたが、レジュメに一度は敗者となった失敗経験について書くことは決して悪いことではない。
私が実際に転職の現場で見た人手、非常にレジュメの印象の良かった人がいたので、その人の例を交えてどのように失敗体験を盛り込むと、全体の印象がよくなるかということを見ていきたい。
その人は、営業の方だったのだが、初年度におもいっきり失敗して、達成率が大幅未達だった。45%くらいの達成率だったという。
そして、その後なぜ45%だったのかという敗因を掘り下げて考えた。
失敗から何を学び、どのように改善して結果を出したか?
大幅未達成だった原因を分析した結果、自分が多くの時間を割いてセールスを行っていた顧客リストが購買決定力のない人ばかりだったことに気づいた。
そして、その後購買決定力のある人を、クライアントにどうにかして紹介してもらい、選択と集中で決定力のあるキーマンとなるポジションの人にしかセールスをしないというスタイルに変更した。
それと同時に、営業に結びつかない多くの電話や日々のなんとなくオフィスで過ごしてしまっている時間をすべて顧客との折衝の時間に当てた。
つまり、自分自身のタイムマネージメントを見直し、多くの無駄を無くし有効なタスクにのみ集中したのだった。
そのプロセスが功を奏し、翌年に160%という結果を出し、翌々年には300%の結果を出すに至る。
なんといっても大幅未達成だったという正直な数字から始まったところから、自分の失敗から学び最終的に大幅達成したという成功劇が逆に目を引いた。
マイナスの部分から始まり、結果大きなプラスになるという点はインパクトに残るのだ。
なぜこのレジュメが良いのか考えると、失敗したところからの改善プロセスを経て大きな成功に至っている。
この人は、自分の頭で考えて、軌道修正できる人なんだな、と印象付けることができる。
むしろ、ただ単に成功した結果のみ羅列しているレジュメは確かに見栄えは良いかもしれないが、どこか少し物足りない。
なぜなら、成功に至るまでのしかるべきプロセスが抜けているからだ。
多くのレジュメに目を通る中でも、このようにインパクトのあるレジュメはなかなかない。
自分の失敗談を書くことを恐れず、その結果、今の自分にどのように役立っているかをプロセスを書くことで補おう。
結果はやはりプロセスにある
やはり私自身、仕事で成果が出るか出ないかは、プロセスありきだと思う。「成果が全てだ。」という考え方では不十分だ。
プロセスを理解したうえで結果が出せる人というのは再現性がある。外資系企業の面接の現場でも成功談を話すと必ず「なぜあなたがそれだけの事を達成できたのですか?」「他の人に比べて優れているところはどこですか?」という質問をよく聞かれるが、これはあなたがその企業でもまた成果を上げることができるか確認されているといっていい。
あなたの過去の仕事の成果を見て、たまたまうまくいったことも、今一度なぜうまくいったか考えてみよう。偶然と言うだけでなく、そこには必然と成功すべき要因があるはずだ。
少し前のことでも、できる限りその過程を思い出し、できる限り原因を特定しよう。成功したときこそ成功した原因を特定することが大切なのだ。
そして、うまく原因がなんだったかを明らかにし、レジュメに盛り込むことでさらに説得力のあるものに仕上げることができる。