転職市場におけるポジショニングのとり方/ずらし方について|外資系虎の巻ー外資系企業転職の心得ー

転職をする目的にもよりますが、あなた自身の価値を最大化したいなら、自分自身のポジショニングを決めることは最重要です。

ポジショニングとは、マーケティング用語ですが、あなたというSPECの商品に対してのニーズのある市場を探し、そこに身をおくということです。

それによって、あなた自身の商品価値を最大化します。

ポジショニング (英: positioning)とは、ブランドが顧客の心の中で独自の地位 (ポジション) を築き、競合他社の製品やブランド認知の観点での差別化をイメージさせるための活動である。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

 

 

 

ポジショニングの際に考える3つの要素

転職市場でのポジショニングを決めるには

①職種(ハードスキル)

②業界

③ソフトスキル(コミュニケーションスキルやマネジメントスキル)

この3つの要素を意識する必要があります。

基本的には①を軸に、どの業界に横滑りすると、ニーズがあるのかということを考えます。さらに③がプラスアルファとして有効になる業界を考えます。

 

例えば、ITのエンジニアがたくさんいる業界にいてもニーズはあるかもしれませんが、期待値を大幅に上回ることはよほど優秀なエリートエンジニアでなければ難しいかもしれません。

それよりも、業界をずらして、IT化が普及しておらず、人材も見つからないような業界に行くと、歓迎され、自分自身の価値を最大化することができます。

もちろん、行きたくない業界であれば行かないという選択肢もありますが、エージェントなどから情報収集をしていると複数業界にまたがり、自分の職種が求められていることがあったりします。

これこそが転職市場における”ギャップ”です。

特にIT(フィンテック、フードテック、DX)、マーケティング(特にデジタル)、経理財務、などのミドル~バックオフィス系ポジションは、IT化に遅れを取っている業界も多く、まだまだこれからという企業はIT化のための人材集めに必死になっています。

自分のニーズがどこにあるかという見極めのためにも、情報収集を行い、GAPを見つけることは自分の市場におけるバリューを最大限発揮する有効な手段なのです。

 

また、ミドル~バックオフィス系職種以外にも、営業系職種を、新興産業やスタートアップ企業が、出身業界問わず採用していることがあります。

彼らは日本での事業拡大が任務のため、各方面で優秀な営業を一人でも多く採用したいのです。

また、グローバル企業であれば、異業界からの人材もウェルカムです。

この考え方の根底には、Diversity(多様性)が新しい価値を生み出すという信念をもっているからです。

 

採用側の成功例

業界をずらしGAPを見つけるということを、採用側としても活用することができます。

先日、インド発の不動産系ユニコーン企業が、日本での事業規模拡大のため複数人の営業ポジションの募集をかけていました。

この企業は、サービスも画期的で非常に勢いのある企業なのですが、日本ではホームページも簡易的に作ったものがあるくらいの新規参入企業です。

同業界の上場企業や大手有名企業で実績を出してきた人を採用するには非常に応募のハードルが高くあまり良い候補者が見つかりませんでしたが、求める条件を緩和し、業界問わずの営業経験のみに絞りました。

その結果、異業界から優秀な候補者からの応募が殺到しました。

 

つまり、同じ業界軸で探していたら競争も高い職種も、業界問わず募集をしたら、業界軸をずらしたい人からの応募を募ることができたのです。

この事例は、転職希望者と採用企業側双方にとって、Win-Winになった良い事例かと思います。

 

 

ソフトスキルとは?差別化の仕方について

ある程度、自分の職種が普及している業界であれば、ソフトスキルで差をつけることができます。

ソフトスキルとは、自分のメインの職種(ハードスキル)ではなく、業務上で必要となる対人スキルのことです。

コミュニケーションスキルやマネージメントスキルが挙げられます。

外資系企業やグローバル企業においては、まさにこの対人スキル(ヒューマンスキルやピープルスキルとも呼ばれる)が重要視されるのです。

ビジネスというのは、やはり人と人が協力し合って、あるいは、束ねるチームの士気を高めて生産性を最大化することにより、成果を最大化することができます。

そういう中で、対人スキルは非常に重宝されるものなのです。

 

自分のソフトスキルを代表的なスキルは、レジュメや職務経歴書でその経験をアピールすることが必要です。

チームのマネージャーをやったことがある人はマネージしたメンバーとチームで達成した功績を数字を交えて記載しましょう。

また、コミュニケーションスキルをアピールするには、必ずしもマネージャーでなくとも、自分がイニシアチブをとってリードしたプロジェクトでの功績を書くこともできます。

その際、他部署の誰を巻き込んで、人とのコミュニケーションによってどんな障壁を乗り越えてそのプロジェクトを遂行したか、ということなどが挙げられます。

社内外のステークホルダーを説得したような経緯も載せると、ネゴシエーション(交渉)スキルが高い人だとも見られることもあります。

日本企業ではそこまで重要視されなかったこの対人スキルが、ポジショニングをするにあたり差別化要素となります。

 

IT系の業界において、非常にハイクラスな技術を求められるいわば研究職的な働き方をするような企業では、技術力は非常に高くとも人とのコミュニケーションに難があるという人は山ほどいます。

東大出身の人が机の勉強はすごいけど、ビジネスとなると人とのコミュニケーションが取れず、会社員としては評価されないということは聞いたことがあるでしょう。

こういった事象が、職種や業界において往々にしてあり、これこそが、ソフトスキルを持つ人の狙うべき転職市場のGAPです。

 

転職市場におけるポジショニングのとり方まとめ

おさらいをすると、転職市場でのポジショニングを決めるには3つについて考えます。

①職種(ハードスキル)

②業界

③ソフトスキル(コミュニケーションスキルやマネジメントスキル)

②の業界をずらすという方法だけでも、自分の職種のブルーオーシャンを探すことはできますが、

レッドオーシャン市場でも③のソフトスキルに長けていればニーズがあり、入り込むことができます。

ソフトスキルをPRするには、マネジメントの実績、チームとして達成した成果、マネジメントのない人であっても社内外のステークホルダーを巻き込んで達成した成果などでアピールすることは有効です。

 

転職においては、「次の会社で求められる人になる」ということが必要不可欠です。

あなたを必要とするかどうかは、あなた自身がどの市場にエントリーし、どのようにスキルをアピールするか、について考え市場価値を最大化できるようなアプローチをしていきましょう。

そうすると、もともといた市場では一般的なスキルセットとしての評価だったか、違う市場では最大限評価されるということが起こりうるのです。

これこそが転職市場において、あなた自身のバリュー最大化する手法です。

 

 

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