外資系の転職市場で尖ったキャリアを作ろうというのは、「外資系で尖ったキャリアを作る方法」にも書いたとおりだ。
職種方向で、深彫りしていきとても尖ったキャリアができると、これだけでもあなたの市場価値は高い。ここでは、あなたの人材の転職市場での価値を上げる2つの汎用的なスキルについて言及したい。
1.英語力
英語力が重要であることは、グローバル企業に勤めたい以上もう言うまでもないと思う。しかし、英語力がなくても外資系企業に入れることは事実だ。
しかしながら英語力があると一気に選択肢が広がる。というのは、外資系企業の採用ポジションの9割はビジネスレベルの英語力が必要とされているからだ。つまり、英語が全くできないとすると、残りの1割しか選択肢はなくなってしまうのだ。
そうなると、その残りの1割のポジションには英語力のない外資系志望者が殺到する。つまり、英語はできないが、スキルが非常に高いという人々である。競争率が高くなることが想像に易い。
よって、あなたがもしキャリアアップのために難問の資格を取ろうとしているのであれば、私は英語を勉強することをお勧めしたい。専門資格で箔がつくだろうと考えている人は、そもそもその資格が本当に業務に直結するか考えて欲しい。成果主義の外資系では資格ではなく成果を見られる。
転職市場での実際のところは、資格云々で、市場価値が上がるということはない。MBAなどの汎用的な資格は業界や職種によっては、実際に優遇されるところはあるが、それなりの費用と労力、時間を費やすことを考えてみよう。
じつは英語だけできるという人は、結構いる。そして、英語を使って仕事がしたいという人も、特に女性に多い。しかし、専門性のある職種のスペシャリストで英語ができると言う人は非常に少ないのだ。
よって既にキャリアに専門性のある方は、英語力を身に着けると、職種×英語力という掛けあわで希少価値のある人材となることが可能なのだ。
2.利益に直結した考え方
外資系企業は、日本と言う一拠点においてどのていど利益が見えるのか、という点を当然重要視している。そのため、営業部門だけでなくそれぞれの部門の人々が会社としての利益を意識していることは大切だ。
例えば、戦略的人事という職種でキャリアを積んできたとしよう。
その人が新しい人をもたらすことにより、どの程度の利益を会社にプラスオンでもたらすことができるのか。という収支を意識していることが、後々の自分の転職活動でも非常に有利になる。「前職では、会社のリストラクチャーや人員配置で、間接的に○○億円の利益に貢献することができました。」という具合である。
このように客観的な数値を提示できるということは、つまり採用者側にとっても、あなたという投資対象に対して具体的にこれくらいのリターンが見込めるという収支がある程度分かるということになる。事実、このような数字が記載されている職務経歴書の方が、頭に残りやすい。
あるいは、会計やITのような職種でも、業務効率化をすることによって、「○○円のコストを削減することができた」という具体的な数値に置き換えてみると良い。
数字というのは、それこそグローバルコミュニケーションに必要不可欠だ。このように数字を意識する癖をつけておくと、転職だけでなく、ありとあらゆるコミュニケーションの場で具体性があり、説得力のあるコミュニケーションを展開することができるようにもなる。
常日頃から、会社あるいは部門のPL(収支)や数字を意識して仕事をするようにしておこう。
以上が外資系の転職市場でも特に重宝される汎用スキルだ。これらは、即日見につけることのできるスキルではないが、ロングタームで見れば非常に高い効果をもたらしてくれるスキルである。あなたが市場価値が上がることを実感することのできるスキルである。