一流になることの大切さ|外資系虎の巻ー外資系企業転職の心得ー

一流になるということ

私にとって、良いキャリアの定義は好きなことや得意なことの専門分野で一流になることである。

まだ自分自身の専門性が定まらない人も、すでにある分野のプロになると心に決めている人も、なぜ一流になることが良いのか、どの程度時間をかければ一流になれるかということを説明したい。

一流になるためにはどのくらいスキルを磨けば良いの?

一流になることは簡単ではない。「1万時間の法則」というものをご存知だろうか?これは、ある特定の分野で一流になるために最低限必要だといわれる時間だ。

マルコム・グラッドウェルの「天才! 成功する人々の法則」によると、ある特定の分野で天才だとか、一流と呼ばれる人は、最低1万時間をスキルを磨くのに費やしているという。

会社員として、ある職種で1万時間経験を積み一流になるためには、概ね次のような計算式となる:

365日-125日=240日/年間労働日数 × 8時間/一日の労働時間 = 1,920時間/年

10,000時間 ÷ 1,920 = 5.2年

会社員として一流になるには、最低でも5.2年同じ職能を磨き続ける必要がある。

しかし、本当に同じことを1万時間続けるということは好きでなければやることはできないし、無理やり続けて一流になったという人もいるかもしれないが、「じゃあこの分野に決めたから、これを一万時間やろう」というものでもない。小さい頃から一貫してプログラミングが好きだ、とか言うビル・ゲイツのような人は別だが、新卒時点で何を突き詰めるか決まっている人の方が圧倒的に少ない。

まず5年は好きなものを探すことに費やし、残りの5年を一流になる時間に費やすと、おおまかに10年くらいは必要になるだろう。





 

一流のスペシャリストになるとすべてが好転する

では、なぜ専門分野で一流になることが大切なのか?それは、自分自身がその仕事に責任を持てるからだ。

生きているということは、日々が何かしらの選択や意思決定を必要とする。

その中でも、仕事における意思決定と言うのは、自分が好きな仕事についていようが、ついていまいが、つきまとうものだ。

しかし、ここで自分が好きなことを専門としてやっていると、成り行きでやっている仕事と比べると、その意思決定に必要とするストレスレベルが格段に変わってくる。

好きなことに関しては、苦に思うことも少ないし、イニシアチブを取り仕事を進めることができる。一流のスペシャリストというのは、自分の仕事に責任を持てる人なのだ。

好きなことや得意なことで一流になることができれば、そのすばらしさを体感し、そのプロセスの中で自分自身の成長を実感する日が来るだろう。

好きな仕事で一流になり、高いレベルで仕事をこなすことは、なんとなく自分が選んだ仕事とは比べ物にならない充実感だ。人はそのようなプロセスを経て、人格を高めていくという好循環が生まれると私は考えている。

 

職種 ×業界 で超一流になる

一般的に一流になるというと、会計のプロになる、とか人事のプロになる、などといった職種方向で一流になる考え方が一般的だ。

私がであった外資系の候補者の中で超一流といわれる人は業界方向でも一貫性を持っていた。ここに紹介してみよう。

Aさんは、30代前半でホテル業やレジャーのホスピタリティ業界で営業を経て、マーケティング、経営企画を8社の就業経験の中で経験してきた。

Aさんは、最初の数年をホテル業での営業やカスタマーサポートを経験し、マネージャーになった後に経営企画やマーケティングのポジションに移った。

その後マーケティングのマネージャーになった後は、きわめて戦略的に、各会社の経験の中で、いわゆる社外で様々な広告やキャンペーンなどに纏わるアワードを受賞してきた。そこで受賞した経験が他社で評価され、現在では、とある海外のリゾート系企業の本社のマーケティングダイレクターとして就業している。年収は2千万円を超える。

 

Aさんは、営業かマーケティングで一流になることもできたが、同じ業界ということで一貫性を持ってきた。また、同じ業界でも世界中での就業経験を持っているため、業界のことを熟知していてグローバル企業で評価され、まさにヘッドクオーターの頭脳となったのである。

このように、職種だけでなく、業界内での深い経験、各企業でのマーケティング関連の受賞暦が評価され、一般的には給与水準は低いとも言われるホスピタリティ業界でも高額な給料をもらっているのである。

 

このように、ある職種や業界に絞ってキャリアを積み上げていくことはプロフェッショナルとして市場価値が飛躍的に上がることがお分かりになっただろう。

状況によっては、その業界のある企業のCEOとして就業しないかと言うオファーも珍しくない。




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