外資系に転職して成功する秘訣を現役部長に聞いてみました|外資系虎の巻ー外資系企業転職の心得ー

外資系企業って実態はどうなの?「結果を出していないとすぐクビになる?」「英語力はどの程度必要なの?」「お給料はどの程度あがるの?」など様々な噂があります。この記事では、現役大手外資系企業を渡り歩いてきた30代で現役消費財メーカーのダイレクター(部長)のD.Aさんに、外資系企業への転職で成功する方法や秘訣について実際のところを語ってもらいました。

 

外資系企業と日系企業との違い

違いについて

 

文化

外資系企業への転職を検討しているなら、外資系企業のカルチャーが自分にフィットするのかを検討しなければいけません。もちろん、日本に来て数十年もある企業と日本法人を設立したばかりの企業では文化もかなり違いますが、大枠の文化的な違いは理解しておく必要があるでしょう。
まずはじめに、日系企業との一番の大きな違いは、日本にある外資系企業というのは、あくまで本社が他国にある企業の日本法人であるということです。本社にとって日本法人がそれなりの業績を出して、日本に拠点を構えるメリットがなければいけません。
そのため、日本法人は日本のマーケットで利益を出して本社に還元することが最大の目的といっても過言ではありません。そのため、利益に対しての考え方はシビアです。そして上層部に行けば行くほどその利益に対しての責任は大きくなります。
日本法人が利益を出す > 事業部が利益を出す > チームが利益目標を達成する >各個人が各々のKPIを達成する
このように利益に厳しい外資系企業においては、最終的には、個人がそれぞれ持ったKPI(利益につながる成果指標)を管理して達成していく必要があります。
そのため、個人が専門的なKPIを持たされるため、専門性の高い仕事をしているのが外資系企業の特徴です。みんなでチームワークで結果を出すという日本的な考え方とは少し対照的で、スペシャリストが集まったチームが結果としてチームワークとして成り立っているというイメージです。

ワークライフバランス

利益に対してはシビアな考え方ですが、やることさえやっていれば自由に時間調整はしても良いのが外資系企業の文化です。多くの外資系企業ではなるべく残業をしないよう生産性を上げる努力をしていたり、個人もだらだら仕事をやるのではなくなるべく早く終わらせて帰ろうとする人が多いです。残業をだらだらしている人は暗黙に仕事ができない人とみなされがちです。実際、タスク領域が明確なので、残業をしている人は生産性が悪い人が多いです。また、仕事は仕事、私生活は私生活と割り切っている人が多く、有給の消化率高い企業が大半ではないでしょうか。クリスマス休暇や夏休みには1ヶ月くらいバカンスに行ってしまう人もいます。それくらい集中的に働いて、その分思いっきり休みリフレッシュしてまた仕事に戻ってくる、といった文化が特徴的です。ですので、日経の企業のように年上の人や上司がまだ残っているから気を使って帰れないというようなこともありません。それぞれが、それぞれの役割さえ果たしていれば、休みや時間調整は自由にしてよいのです。

 

お給料面

お給料に関しては業界や職種にもよりますが、平均的に2~3割は日本企業より外資系のほうが多くもらえるイメージです。日本企業と後外は、ベースサラリー(基本給)+ボーナスとなっており、ベースサラリーが高いのが特徴的です。ボーナスには、個人の成果連動給(インセンティブ)やグローバルインセンティブがある企業もあります。日系企業のように通年で4倍、などという額ではなく、ベースサラリーの10%くらいであるのが一般的です。例外的に、営業などのフロントオフィスはインセンティブが非常に高い企業もあり、外資系企業で営業会社のトップセールスなどはインセンティブが基本給を超えるような企業もあります。そのような会社は決してベースが高くはありませんが、一攫千金で稼げる可能性もあるので、野心的な人があつまっています。

 

外資系企業で成功する人の5つの特徴

成功の軌道

 

1.ポジティブ・シンキング

外資系企業で働く人々は、国籍問わずポジティブな人が多いです。新しいアイデアがあると、「それ、いいね。やってみようか。」とか、あるいは「それだと無理だけどこうしたらどうかな。」という新しいことへのチャレンジマインドが高い人が多いです。「そのリスクは取れないからそのアイデアはやめとこう」というチャレンジに消極的は人ではなく、じゃあどうすればよいという建設的な意見を言い、最終的に良いアウトプットが出せるようにするような人が外資系で成功する人です。リスクばかり考えて新しいことができないとリターンは取れないので、良いリスクと悪いリスクの見分けがつく人である必要があります。
そもそも安定感のある日系大手企業ではない、成果主義の外資系を選んでいること自体がリスクがありますが、それ以上のリターンがあるから働いているわけで、「たとえ勤めている企業が日本撤退しても自分は生きていける」といったポジティブで自信のある人が結果として多い傾向です。

 

2.仕事で成果を面白いと感じる/あるいは成果を出したい

仕事で成果をあげることを楽しんでいる人、あるいはそこに充足感を感じている人は外資系のカルチャーにフィットする人と言えます。それがプロジェクトを完結することであれ、営業で数字を残すことであれ、成果が仕事の醍醐味だと考えている人は決して多くはありません。生活のために最低限の給料があれば良いという人もいれば、安定した会社で長くのんびりと仕事がしたい人もいます。どれが正しいということではありませんが、外資系では成果を求められる環境です。1つの専門領域で結果が出せるひと、結果をだすことにやりがいを感じている人は外資系企業でも歓迎されます。当然、転職の際に提出するレジュメには前職でどのような成果を上げることができたのかを問われます。その際に一番成果を上げるという意味で客観的に見れる数字を具体的に出すことは効率的でしょう。

 

3.向上心がある

常に自分の成長を意識しながら仕事に取り組んでいる人も多いのが外資系のマーケットの特徴です。仕事でも私生活でも目標を立てて行動している人はよく見かけます。とにかく行動するというより、その行動の最終的な目標から逆算して、今何をやるかを考えてなりたい人物像に近づいていくような人が成功する人だと言えます。

4.どんな国のどんな人種の人とでも意思疎通が図れる

コミュニケーションスキルがある人は重宝されます。外資系企業のなかには日本法人であっても、数十カ国の国籍の人が集まっていることもあります。そのような多様性のある環境の中で自分の意見を伝えることができ、仕事を進めることができる人は外資系企業のプロフェッショナル人材です。あるいは、今できなくてもひとたび外資系企業に入れば、そのような人々に囲まれるので国際社会でのコミュニケーションスキルはあがるでしょう。これは上層部に行けば行くほど必須のスキルなので、20代からコミュニケーション能力については意識していくことが必要です。コミュニケーション能力のような普遍的なスキルは”ソフトスキル”と呼ばれ、どのような企業でも必要とされます。自分の意思を伝えるだけでなく、相手の意見も尊重したうえで仕事を進めていく能力が真のコミュニケーション能力といえるでしょう。

 

5.ロジカルシンキングができる

多種多様な人と仕事を進めるためには、誰もが納得する理論で周囲を納得させて仕事を進めなければいけません。そのためには、関係者が納得するよう理論的な説明が必要です。自分が進めたいことを説明するためには数字を用意することが一番の説得力があります。数字は全世界共通です。数字をベースに問題点を浮き彫りにし、自分が起こしたいアクションの説明をします。ある事象が数字によって浮き彫りになり、それを解決留守ための仮説を立てて、実行、検証を行っていきます。

 

外資系企業に向いていない人5つの特徴

外資に向いてない人

1.自分自身の仕事に責任が持てない

これは何も外資系に限ったことではありませんが、自分の仕事に責任が持てない人は外資系では敬遠されます。外資系企業ではスペシャリスト採用が多くを占めます。つまり、自分の職務領域が明確でその職務に責任をもたなければいけません。ある分野のプロフェッショナルと見なされるわけです。また、個人が持つKPI(重要成果指標)もあり、それを達成することを目標に各人仕事をするので、責任があることは最低限必要です。

 

2.多様な人種と入り混じることに抵抗がある

異国の文化に抵抗があったり、外国人と交流ができない人はそもそも外資系のカルチャーに適応できない可能性があります。

 

3.コミュニケーションを取ることが苦手

そもそも様々なカルチャーの人種が入り乱れるグローバル企業でコミュニケーションが苦手な人はあまり歓迎されません。

 

4.幅広い仕事がやりたい

「幅広く多くの職種を経験してみたい」という人はスペシャリスト採用が多い外資系よりも日系企業が向いているかもしれません。もちろん手を挙げれば他のポジションへのトランスファーは可能ですが、基本的には、自分のタスクは決まっていて縦割りの組織になっているのが外資系企業の特徴です。ジョブローテーションして、社員に様々なポジションを経験させるという日系企業にあるようなキャリアスキームは外資系企業やグローバル企業には一般的にありません。

 

5.安定を求めている

今でさえ「終身雇用制度」という概念は日系企業にもありませんが、安定を求めるのであれば大手日本企業を選択するほうが良いかもしれません。外資系企業では成果を出して、ステップアップしていく人が多く、長くその企業で勤め上げるという考え方を持っている人は少ないです。また、福利厚生の充実、退職金制度などを重視する方は日系企業のほうが充実しています。また、マイペースにできる範囲で仕事をしたいという人も成果主義の外資系企業では浮いてしまうかもしれません。

 

外資系企業に転職3つのメリット

メリットデメリット

1.給料が良い

お給料が良いというのは外資系企業の大きなメリットの一つです。お給料が良いと、私生活に余裕が持てるようになります。生活のためのお金プラスアルファがもらえるので私生活も充実し趣味の幅を広げることもできます。

 

2.ワークライフバランスが良い

外資系企業の人々は基本的に自分のタスクを早く終わらせることを考えています。残業に美徳を感じるような人は基本的にはいませんし、あまりに残業をしている人を見かけると、「その人の能力以上のタスクを与えてしまっているのではないか」とか「そのポジション自体がその人には重荷なのではないか」という捉えられ方をすることがあります。日々のワークライフバランスだけでなく、休みを長くとってリフレッシュ休暇を取ることも外資系企業の特徴です。

 

3.成果主義

成果を上げることで評価をされる文化の企業が多いです。また、個人個人のKPIが明確に設定されていて、それを四半期や通年の達成率を見て評価されることが一般的です。また、組織も、チームや部署の評価が見えるよう縦割りの組織になっていることが多く。成果を上げていないチームや部署は当然評価が低いです。成果如何で評価される組織は、自分自身で成果を上げたい人や、評価の基準が明確な組織に属したい人にとっては大きなメリットでしょう。

 

外資系企業に転職3つのデメリット

デメリット

1.成果を上げられない人は評価されない

基本的に外資系企業の採用はスペシャリスト採用なので、タスクが明確です。それぞれの専門分野においてタスクをこなすことができない場合は当然評価されません。
また、個人だけでなく、本社が日本でビジネスをする必要がないという判断をした場合には日本撤退というリスクもあります。

 

2.個人の業務範囲が限られている

外資系企業の採用は基本的には専門職のキャリア採用です。幅広く仕事を経験したいという人には不向きと言えます。
基本的に外資系企業の採用方針は即戦力となる人でキャリア採用です。何か1つの分野に精通しているからこそその価値があります。

3.福利厚生

福利厚生は大手日本企業のほうが良いです。日本企業はこれまで終身雇用という概念があり、社員を守るという文化がありました。そのため、家賃補助制度や住宅借り上げ制度など、という制度がいまだにある会社もあります。外資系企業にはそのような考え方はないので、必要最低限の福利厚生しかない企業も多いです。

 

外資系企業での英語力はどの程度必要か?

英語力

ビジネスレベルの英語が必要

外資系企業が候補者に求める英語レベルは、募集要項を見るとほとんどがビジネス英語レベル(Business level English)と書いてあります。これは、Eメールや電話で業務におけるコミュニケーションが問題なく取れるということです。流暢である必要はありませんが、業務に支障が出るレベルでは厳しいでしょう。中には日本人ばかりの外資系企業も多く存在するので、そのような企業では一部の上層部を除いて一切英語が必要ないこともありますが基本的にはビジネスレベルが望ましいです。

英語習得に本気の人はこちらで間違いありません。

 

TOEIC700点がボーダーライン?

一般に英語のレベルがビジネスレベルと呼ばれるのはTOEIC700点がボーダーラインといわれます。ビジネスレベルで英語ができる人は大半の外資系企業で”コミュニケーションが英語で取れる人”と見なされ言語がハードルになることはありません。TOEICの点数は直接英語を使えるかということとは関係ないかもしれませんが、「英語が最低限できる人なのかどうか」ということを表す客観的な数値として取っておいたほうが良いです。

 

より流暢に話せて、コミュニケーションが取れるに越したことはない

ビジネスレベルとはいえ、流暢に話せてコミュニケーションが円滑に取れるに越したことはありません。外資系企業でも昇格していく人は英語に堪能な人が多いです。なぜなら上に行けば行くほど、本国へのレポートが必要で、日本のビジネスの状況を説明する必要があるからです。

 

常にブラッシュアップしていく人が成功する

結論として、英語力は一朝一夕で習得できるようなものではないので常にブラッシュアップしていかなければいけません。そのためには、自分が常に英語に触れるような環境に身を置くようにすることです。楽しんでできる方法もあるのでぜひ続けてみてください。

 

英語をどのように習得した人が多いか?

英語習得

実際の仕事で身に着けた

外資系企業で活躍している人の中で最も多いのが実際仕事をしているうちに英語力を身に着けたという人です。英語を使わないといけない環境に自分を追い込むことで徐々に身につくようです。実務で身につけた人の中には「最初は見よう見まねでメールをなんとか打っていた」という人も少なくありません。数をこなしていくうちに、色々なビジネス英語の表現やパターンが身についていき、問題なく使いこなせるまでになるのです。

 

海外ドラマや映画を見た

毎日英語しか使わない環境にいる人は必要ないかもしれませんが、そのような環境にいる人は多くはありません。英語に触れる機会を作る方法としては、海外ドラマや映画を見る方法は気軽に楽しく続けられる方法のひとつです。特に最近はHULUやNETFLIXといったオンラインでの供給サイトが増えてきていて、1000円程度/月で会員になれます。海外ドラマや映画好きにこれを使わない手はないでしょう。少しずつでも英語に触れ続けていることが重要です。

 

留学して習得した

社会人になり、英語やビジネスについての資格の必要性を感じ、海外でMBAなどの修士を取りに行く人もいます。非常に高額な投資になるので慎重に検討する必要がありますが、多くの学びがあることは間違いありません。人生の中で貴重な財産となることでしょう。また、昨今ではオンラインで海外のMBAを安価に取得できるプログラムもあります。同じMBAには変わりないので、自分自身のモチベーションを維持できる人は検討してみるのも良いでしょう。一般的に海外で修士をとったことはグローバル人材のマーケットでは資格と言う意味だけでなく、チャレンジ精神という意味でもプラスになります。

 

外資系企業では女性は活躍できるのか?

 

外資系企業では、男女平等に雇用均等の機会を提供を詠う企業が多いです。日本では先進国の中では女性の社会進出度合はもっとも低いですが、海外ではむしろ女性の管理職を増やそうといった運動も盛んで、日本の外資系企業でもそのような会社は多く存在します。また、産休(Maternity Leave)や男性の育休(Paternity Leave)などの福利厚生も充実しています。日本には、英語に堪能な女性が比較的多く、そのような女性は外資系企業でも重宝され、いきいきと活躍している人がたくさんいます。

外資系に転職することで給料や年収はアップするのか?

キャリアアップで行く人は一般的に上がる傾向にあります。外資系企業のリクルーティング手法として、欲しい人材には前職の年収以上を提示して入りやすくするのが一般的です。また、同じ業界から競合へ行くような場合も給料アップは見込めます。特に希少な専門スキルを持ったキャリア採用ではお給料はあがりやすいでしょう。一方で、スキルのない人は当然あがらないこともあります。日系企業から行く人は、基本給部分があがるので、ボーナス部分の多い日系企業よりも基本給は担保されると言えます。

 

外資系での収入をあげるための秘訣

収入アップ

専門性を磨く

まずは自分の専門性といえる分野を見つけ、それを突き詰めることです。ひとつのことを掘り下げると回りが見えてきて、自分がその分野でどのようなスキルを身につければ市場価値が上がるかということは分かると思います。今のグローバル人材市場では、一つの専門スキル×英語力でも十分な市場価値と言えます。そこに、プラスアルファで求められているスキルが加われば引く手あまたの人材となる可能性があります。

 

マネージングスキル(管理職)を磨く

自分の専門性に加え、管理職としてチームをマネージするスキルがあるとさらに市場価値は上がります。マネージャーは自分自身のスキルに加え、チームの成果を最大化する責任があります。人のモチベーション維持や育成に関わってくる仕事なので、時にはメンバーを叱咤激励し、適材適所配置を行っていくなとといったことが求められます。

 

MBA(経営学修士)などの資格で武装する

一般的に誰が見ても分かりやすい資格を持っている候補者は、採用者やヘッドハンターの目に留まりやすいです。
MBAはビジネスでいう運転免許のようなものです。これをもっているからビジネスについての理解があるとみなされます。それなりのお金と時間をかけて取得した資格ですから採用側にとっての印象は良いでしょう。

 

ヘッドハンターと良好な関係を築く

ヘッドハンターと良好な関係を築くと良い案件があった時には紹介してくれます。優秀なヘッドハンターは、頭の中に候補者のデータベースがあり、ポジションごとにだれが適任がということがすぐに浮かび上がります。この時に気を付けなければいけないのは、ヘッドハンターの中にはとにかくレジュメを企業に送りまくる人と、きちんと選別して個別にメッセージをくれる人と2パターンいます。後者のような優秀なヘッドハンターと長期的に良好な関係を築きましょう。

未経験者が外資系に転職する方法

20代の人、ポテンシャル採用からはいる
未経験者の方でも、比較的入りやすいの20代のポテンシャル採用です。外資系企業でも日本に来て長い企業は、若い人を採用して育てたいという企業もあります。そのような企業では常時ポテンシャル採用を行っています。このような人にはまずは外資系企業に精通しているエージェントなどに相談し、情報収集することをお勧めしたいです。

 

30歳以上の人で専門領域でさらなるステップアップを目指す人

IT系など非常にニーズのある分野では、30代あるいは40代以上でも外資系に行ってスキルアップは可能です。また、特殊な専門領域の人材に関しては、英語力がそこまで高くなくとも採用ニーズがあります。一例をあげるとITエンジニア全般、車や精密機器などの製造業界、医療・医薬品業界などが挙げられます。専門性の高い分野でのニーズは年齢問わず外資系マーケットであるので、いわゆる35歳転職限界説みたいなものは盲信ともいえるくらいです。

 

日系企業から外資系企業へステップアップする方法

ステップアップ

日経グローバル企業へ行く

日経グローバル企業での経験は、じつは外資系企業にとっては、のどから手が出るほど欲しい人材です。日本のマーケットにも精通していて、グローバルな考え方もできるからです。そのため、「○○という日経グローバル企業で働いていた人が欲しい」と名指しで指名してくる企業もあるくらいです。また、「一度外資系企業に行くと日系企業には戻れない。」といったようなことは昨今ではほとんどありません。

 

非常にとがったスキルを持つ

ITエンジニアや、車の製造系エンジニアなど、コミュニケーション能力より、他の人で代替できないスキルをもっている人は前述したとおり常にニーズが一定的にあります。これらの人は、英語はできるに越したことはありませんが、日系、外資関係なく重宝されます。ですので、自分の働いている業界や職種における人材ニーズに敏感になっておく必要があります。

 

外資系企業から外資系企業へステップアップする方法

外資系企業でさらにステップアップしたい人は同じ業界内でステップアップする方法と、異なる業界に行く方法と2つあります。前者は、比較的結果を残した人ならネットワークの中で声がかかると思います。後者は、どちらかと言うと情報収集をしたり、ヘッドハンターとコミュニケーションを取る中で声がかかったり、道が開けることが多いです。後者で採用したいが、なかなかそのような人材が業界やマーケットにいない場合には、破格の条件を提示してくるケースもあるでしょう。例えば、ある業界でIT化が極端に遅れている業界があり、IT化を推進してくれるプロフェッショナルを渇望しているケースなどです。ただし、いずれにせよ実績を残したことが前提なので、きちんと実績を数値化して見せれるように日々準備をしておきましょう。

 

外資系企業へ転職するために準備すること

準備

レジュメ(職務経歴書)の準備をする

まずは和文および英文レジュメを準備しましょう。日本のような履歴書のようなものではなく、職務経歴書が一般的です。これには決まったフォーマットはありません。最初に自分の経歴のサマリー(要約)を数行で書きます。そして、直近の勤務先から順番に職務経験を書きます。ポイントとしては1.数字で成果を書く 2.具体的な施策を書く 3.表彰歴を書く(あれば) レジュメはまずは応募する企業の面接という土俵にあがるためのものです。一枚目の数行目に留まるものを書き、多忙な企業の採用担当者でも一目見て分かるものを心がけましょう。

 

LinkedIn

LinkedInのアカウントは作っておきましょう。日本ではまだまだ普及していませんが、ビジネスパーソン向けのSNSで、ここ数年でかなり日本市場に注力してきています。世界最大級のビジネスパーソン向けSNSで、言語は英語です。ここでは企業の採用者、ヘッドハンターなど様々な採用に関わる人々が候補者を日々探しています。プロフィールは充実させておくべきですが、レジュメに書く内容よりも簡略的なものでも良いです。採用者が候補者を探す際にサーチしそうなキーワードは抑えておきましょう。

 

求人サイト(タレントプール)に登録する

外資系企業やグローバル人材が登録するタレントプールがありますので、登録しましょう。ここにもレジュメを登録することで、外資系ヘッドハンターや企業の採用担当者が常に人を探しています。一般的に、タレントプールでは更新頻度をまめにすることでより多くの採用者の目に留まります。具体的なタレントプールについては後に紹介します。

外資系やグローバル求人多数の会員制求人サイト『BIZREACH(ビズリーチ)』

 

エージェントに相談する

エージェントはこれまでに紹介したLinkedInや求人サイトで声をかけてくることが多いです。良さそうなエージェントがいたら実際に面談をしにいってみましょう。外資系エージェントでは、レジュメのチェックや面接対策のシミュレーションをしてくれるところも多いです。また、エージェントでの最初の印象は、データベースに残るので、カジュアルな面談と言っても好印象を心がけましょう。

 

外資系企業の面接ってどういう感じなの?

面接

外資系の面接プロセスについて

一般的な外資系の面接ではまずは現場のHiring Managerと呼ばれる採用担当者(一緒に働くことになる上司)との一次面接があります。その後は企業によってステップは様々ですが、採用担当者の上司にあたる人(外国にいるケースもある)との面接。最終的に人事との面接となり、条件確認などがされます。2~3回のステップであることが多いです。

 

スカイプなどの電話インタビューについて

1次面接はスカイプでの電話面接となることも最近ではめずらしくありません。また、1次面接が終わった後、採用部署の上司が外国にいる場合の面談などはスカイプや電話で行われることがあります。スカイプはかなり一般的になってきているので、フォーマルな機会のためにもIDは取得しておきましょう。

 

身だしなみについて(メラビアンの法則)

身だしなみがいかに大切かというのは、1971年にアメリカの心理学者が提唱した”メラビアンの法則”を参考にすると良いでしょう。この法則によると、視覚的な印象がコミュニケーションに与える割合が55%、次に声の印象が与える影響が38%、実際に喋った内容が与える影響は7%しかありません。実際、身だしなみに清潔感を持ち、自信にみなぎったしゃべり方をする人は面接に強いです。面接前には清潔感とゆらぎないしゃべり方を心がけましょう。

 

外資系の面接(Interview)で聞かれることは?

基本的に聞かれることは3つしかない

外資系企業に限らずですが、面接で聞かれることは基本的には3つしかありません。それは①あなたがこれまで何をやってきたか(スキルチェック)②どのような目標を持っているか(モチベーションチェック)③どのような人か(カルチャーフィット)の3つになります。したがって、実際の面接に聞かれる質問がどのような質問であったとしてもこの3つのどれかに集約されます。どの質問も様々な角度で答えることができるようにしておきましょう。

 

1.何をやってきたか(スキルの専門性)

あなたが何をやってきたか、特に外資系企業では具体的なスキルと実績について聞かれます。
エンジニア系の人々は実際に自分がハンズオンでやった経験について聞かれることも多く、それによりどのような数字を達成したかということを聞かれます。
人事担当者との面接などで聞かれるスキルは主にソフトスキルについてを聞かれることになります。代表的名ものとしては、海外とのコミュニケーションや人のマネジメントについてです。

コンピテンシー・インタビューという面接形式

コンピテンシー・インタビューとはそのポジションについてのスキルと適正を見極めるためのインタビュー形式です。ここでは、これまでに経験したプロジェクトの中でKPIを達成する過程で起こった問題、そしてそれを乗り越えるための解決策をどう見つけ、行動に移し、その結果どうなったかということについて聞かれます。特に1つの題材を深堀しながら、どのような判断をして、どう結果を出したか。ということを聞かれるインタビューで具体的な数字に言及しなければいけません。ロジックツリーを作っていくように、ストーリーで聞かれるため、最初のほうから矛盾があるとすぐに分かってしまいます。1題材につき時間がかかるため、1時間に2つくらいの題材について聞かれるのが平均的です。

コンピテンシーインタビューがある企業では、これまでに経験したプロジェクトを以下のようにまとめて用意しておきましょう。

 

・そのプロジェクトあるいはタスクの目標(KPI)

・そのときの状況(メンバー、諸環境)

・達成するまでに立ちはだかった困難

・それを乗り越えるために実施した施策

・その結果どのような結果があったか(プロジェクト自体の結果と回りに影響を及ぼしたこと)

 

 

2.どこを目指しているか(モチベーション)

あなたが次のステップでどこを目指しているのかということを聞かれます。次の目標がなかったり、目標はあるけどこれまでの経歴と相関性がないと採用者は本当にモチベーションがあるのか分からないと感じるでしょう。また、募集しているポジションでそのような機会を提供できるかというマッチングを見ている部分でもあります。ここに関しては聞かれる質問は割りとストレートなものが多く「あなたはマネージャーになりたいですか、それともスペシャリストとしての道を突き詰めたいですか?」や「次のステップとして何を目指していますか?」などです。

 

3.どういう人物か(カルチャーフィット)

企業も価値観があり、同じ方向を向いていける人を探しています。ですので、同じ価値観を持った人と働きたいと思うものです。

面接の質問一例

・あなたがこれまで失敗した中で一番大きな失敗はなんですか?それをどのように克服しましたか?

・周りの人を巻き込まなければ達成できなかったことについて教えてください。

・社内外で何かを提案して実行に移したことで成功したことを教えてください。何が一番困難でしたか?

 

外資系企業向けヘッドハンターが多い求人サイト

BIZREACH(ビズリーチ)は、求人サイトです。

自分の情報を職務経歴書とともに登録しておくと企業やヘッドハンターがスカウトしてくれます。
ここに登録しておくと、ヘッドハンターがあなたを見つけ出してくれ、最適な案件を紹介してくれます。まずは情報をとにかく集めたい方にとって、これほど理にかなったサイトはないです。

無料プラン、有料プランがありますが、無料で十分声がかかりますし、良いオファーもくれます。

自分からエージェントに登録に行くのに抵抗がある人は、まずはこのような求人サイトに登録しておくと良いでしょう。

 

⇒『BIZREACH(ビズリーチ)』への無料登録はこちら

 

外資系企業に強いエージェント

JAC

外資系への転職で特に良い企業をここで紹介しておきましょう。
JACはUKで日本人が立ち上げた転職エージェントです。大手外資系企業両方、日系グローバル企業と豊富なクライアントがいてバランスが良いです。海外求人の募集も行っています。また、ヘッドハンターにありがちな強引な紹介などはないので、候補者の意思を配慮したマッチングが実現されます。面接対策も充実しています。

エンワールド

エンワールドはもともとウォール・ストリート・アソシエイツという英系のエージェントでしたが、エン・ジャパンが買収しました。そのため社内のカルチャーは非常に国際色豊かでクライアントも大手外資系クライアントが軒並み取引先としてそろっています。「入社後活躍」というエングループの全社的な理念があるので、候補者と企業のマッチングを非常に大切にしています。面接前にはコンサルタントが出向いてくれて、事前対策をやってくれたり、レジュメのアドバイスなどもくれます。

 

さいごに

いかがだったでしょうか? 外資系企業に転職することはリスクではなく、グローバルに働きたい人にとっては最高の環境がそろっている企業もあると思います。英語力に自身がない人も、エントリーレベルから入れる企業もありますし、英語に日々触れることで確実に上達していきます。理想的な外資系企業に入りキャリアを築くためには、計画的に情報収集やネットワークを構築していくことで可能になります。実力主義の外資系では学歴もそこまで重視はされませんので、公平です。ぜひ実現してください!

 

でじおプロフィール

著者プロフィール D.Aさん(30代後半)

外資系消費財メーカーセールスダイレクター
外資経歴12年 大手米系企業において戦略系ミドルオフィス職の部長職を務める。
「行動量に勝るものはない」と悟り、圧倒的な行動量とスピードで30代で部長になる。

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