初めて外資系企業に転職をしようかどうか迷っているという人は、最初は不安もあるものだ。
新卒から外資系企業で働いている人はともかく、30代以降で家庭を持っている人が踏み切るには難しい決断だということも良く分かる。とにかく外資系企業と一口に言っても米系企業、ヨーロッパ系企業、大企業、中小企業、スタートアップ、ベンチャー等々、様々だ。なので、今検討しているそれぞれの企業を念入りにリサーチしてみよう。情報がないということがリスクなのだ。
ここでは、転職を考えている人々からよくある質問集をまとめてみた。
よくある質問1.英語力/海外経験がないが大丈夫か?
英語力は最低限の読み書きができるレベルは欲しい。もし、あなたが外資系企業で勤めたり、グローバルに働きたいのであれば今すぐ身に付けることをお勧めする。そして、実務の中でビジネスレベルの英語力を身につけていくのが理想的ではある。
しかし、外資系企業でも日本に長く根付いている企業では、高い英語力は必要とされず、むしろ現場レベルの社員間では日本語しかしゃべらないとてもドメスティックなことが多い。このような会社では、本社(Head Quarter)へのレポーティングが必要な上層部の人間のみ英語が必要とされる。製造業など日本に長くある企業ではこのような会社も多く見受けられる。
また、特殊なIT系のエンジニアなどは、そもそも存在自体が希少なため英語力がなくても採用されるケースは多々ある。(そもそものプログラミング言語が英語ベースなので、技術的なコミュニケーションを取る分にはあまり問題ないらしい)
よくある質問2.外資系企業では競争心がないと駄目?
外資系企業においてガツガツとした競争心が必須というわけではないが、のんびり仕事をしたいという人には正直外資系は向いているとはいえない。
そもそも外資系企業にいる人々は一般的に向上心が高い人が多いので、そのような人々に囲まれることになる。ただし、例外はあって、ドメスティックなカルチャーの根付いた企業では、のんびりとした社員もいるし、非常におおらかな人間性を重んじる企業も実在する。
また、ヘッドクオーターの所在地にもよる。米系はかなり成果主義で、結果を求められる企業も多いが、欧系の会社では比較的のんびりした会社もある。
一般論として、多くの外資系企業は、外国に本社があって日本で利益を生むためにビジネスを展開しているわけだから、競合に対してのアンテナを張るくらいのマインドは必要だといえる。
よくある質問3.外資系企業の将来性が不安です
前述したとおり外資系の企業にも色々とあるので、まずはエージェントなどの第三者機関を使ってリサーチをしてみることだ。
日本に進出したばかりのベンチャー企業やスタートアップの企業は当然日本撤退の可能性もあるし、一方で日本進出して数十年の安定した実績を持つ大企業の将来性はある程度担保されるだろう。
ベンチャー企業やスタートアップ企業を見極めるには、本国での成功実績や世界的な浸透度と日本のカルチャーに新しいビジネスモデルがフィットするのか客観的な視点で分析してみよう。世の中の動向や日本経済を見渡してみて、自問してみよう。「そのビジネスのニーズはあるだろうか?」「どのくらいの規模の人が、その企業のプロダクトによって救われるだろうか?」
当然ベンチャーやスタートアップにはリスクは付き物だが、その分成功したときの夢がある。スタートアップ創業メンバーであれば、成功した暁には役員や取締役レベルに昇格する人もいるだろう。
よくある質問4.日本進出している外資系企業の一覧を見たいがそのようなものはあるか?
ちなみに、日本における外資系企業の一覧が乗っている唯一の本がこちらだ。
ちょっと値が張るので図書館などで目を通してみるのが良いかもしれない。
あるいは、「会社四季報」業界地図 2017年版は日系も交えて全体の業界マップが見えるものだが比較的安価で見ていて面白い。
はじめて外資系に行く人々の不安の中には、じつはあなたが一流のスキルを持っていないからこそ浮かび上がってくる不安もある。
なぜなら、一流のプロフェッショナルであれば、ある程度自分が身を置く場所は選べるからだ。特に一度外資系やグローバルに身を置くと、次第に方々から声がかかるようになる。外資系転職市場で一流になる方法はこちらでもお伝えしている。
そうなったらもうこちらの土俵だ。自分のタイミングで転職をして、自分自身のバリューを最大化できる場に身をおくようになることが可能になるだろう。